ハンドメイドマーケットを賑わすたくさんの作品の中でも、売れている作品は他とは違います。
デザインやセンスもありますが、いちばんの違いは「丁寧に作られているかどうか」。
売れるかどうかはリピーターをどこまで増やせるかだとよくいいますが、適当に作られた物では「また買おう!」という気にはなりません。次も買いたくなるような、丁寧な仕上げのコツを素材別に考えてみましょう。
布小物
縫って作る物は、縫い代やファスナーあきなど細かい部分の始末が雑になってしまいがち。逆に、こういったところが丁寧に処理されていると一気に好感度が上がります。
縫い代が袋縫いになっていたり、普段見えない裏側まで丁寧に仕上げてある作品を見ると、作家さんの愛が詰まっているようで嬉しくなりますよね。
初心者さんによくある失敗例に「できあがりを早く見たくてアイロンがけなどの細かい工程を飛ばしてしまう」というケースがあります。
お裁縫上手の人ほどひと手間を惜しまないもの。しつけやアイロンがけなどの、素人が見ると「やらなくてもいいかな?」と思ってしまうようなことが、実はできあがりに大きく影響します。美しい仕上がりのために、「ひと手間」は欠かせません。
ほかにもちょっとした工夫で「可愛い!」と思わせる技もあります。たとえば綾テープやリボンの端。三つ折りで縫いとめる簡単な方法でもいいのですが、その縫った部分を隠すように余り布で作ったタグやヨーヨーキルトを縫いつけるというアイデアもあります。
これなら不器用さんでもすぐ真似できそうですね。
ビーズアクセサリー
ビーズやワイヤを使った小物は、とがったパーツが多いだけに細心の注意が必要です。
丁寧に作られた作品はワイヤの先端などとがった部分がきちんと安全に処理されています。とくに、アクセサリーに仕立てられることが多いビーズ作品は肌に近いところに直接着ける形になるので、こういった処理はとても大事。ピンワークのピンの先や金具のつけ方が安全な方向に向いているか、意識して作っている作家さんの作品を購入したいものです。
パーツを接着した接着剤が乾いた後とがった形になり、購入者がケガをしたという事例も実際にありました。作品のクオリティを上げるためだけでなく、事故を防ぐためにも丁寧な仕上げは重要なのです。
出品する際には必ず自分で試着するなど、十分な点検を行うべきでしょう。
ニット
キャラクターのあみぐるみやあたたかい編みこみ模様のポーチなど、ニット小物は心をふっと和ませてくれる素朴で優しいアイテムです。
そんなニットも、もちろん丁寧な仕上げが必要。編み始めと編み終わりの処理、糸端の始末、仕上げのスチームアイロンまで手間を省かず作られたニット作品は、見ているだけでも心地よい暖かさに包まれるようです。
またウールは洗濯などに微妙な配慮が必要な素材です。お手入れ方法をきちんと書いてくれる、そんな気遣いもまた「丁寧な仕上げ」のひとつといえますね。
まとめ
丁寧に作られた作品には、作り手さんの人柄をあらわすかのような魅力があります。
購入するなら、こだわりをもって作られた作品を手に入れたいもの。誰もがそう思うからこそ、細部まできちんと仕上げられた作品が売れるのでしょう。
手作り作品の出品を考えているなら、まずは丁寧な作品作りをこころがけることをおすすめします。